東野圭吾の魔球のあらすじ・内容と感想

レビュー

東野圭吾さんの「魔球」のあらずじ・内容、感想などについてまとめました。

魔球の内容・あらすじ

開陽高校のエースである須田武志は将来を嘱望されるピッチャーであり、選抜高校野球大会の絶体絶命のピンチで魔球と思われる球を投げる。

この球はキャッチャーが捕球できず、結局試合には敗れてしまう。

その数日後、キャッチャーであった北岡の刺殺体が発見される。

犯人像がつかめない中、北岡の当日の行動にも不可解な点が残る。

同じ頃、東西電機では爆弾騒ぎが起きており、その後に社長の中条あてに脅迫状が送られてくる。

中条は指示の通りに行動するが、結局金は奪われず、中条は誘拐されたものの無事に解放される。警察は犯人の意図を図りかねる。

北岡殺害の犯人がわからないまま、ついに次の犠牲者がでることになるが。

魔球の感想

1991年の作品ですが、今読んでも十分楽しめます。

私も今回初めて読みましたが、時代背景で大きな違和感も感じることなく、楽しめました。

当然、携帯電話は出てきませんが、特にそれで話がつまらなくないようなこともなく、携帯がない時代を知らない若い人でも特に読む上で問題はないかと思います。

この本を読み終わって一番に感じたことは、人生の目的というか目標というか、将来を決めている人、未来を決めている人というは、ブレないというか、その目的のためには他のことを犠牲にする覚悟や強さみたいなものがある、ということです。

武志は、野球でプロになるというのが夢というレベルではなく、未来そのものであり、そこから逆算して、今やることを決めている、そうゆうような意思が感じられます。

別に野球が好きでやりたいというよりは、それが金銭を稼ぐための最良の手段であったにすぎず、他に良い手段があれば別に野球でなくてもよかったのかもしれないですね。

そうゆう意味では武志はもう少しだけ視野を広く持って、他の選択肢も多少考えていれば、この話のような結末にはならなかったのかと、少し残念な気にもなりました。まぁ、当時の時代背景や武志の家庭環境を考えると、そんな選択肢はなかったのかもしれませんが。

ところで、問題の魔球については、結局、本当に魔球だったのかはわかりませんでした。

北岡が魔球を見たと言っており、実際、最後のバッター津山が空振りをしているので、魔球であった可能性が高いですが、それがどのくらいの完成度のものだったのかはわからず終いです。

「たった一球だけの贈り物だったのでは」という描写がありますが、その贈り物が結局、ワイルドピッチなり、パスボールなりになってしまっているので、贈り物だったとしてもとんだ贈り物です。

まぁ東野圭吾さんは、明確な答えを書かない小説も多いので、この魔球だったかどうかという点も、読者の判断に任せるということかもしれませんね。

魔球はどんな人向け?

高校野球の話題が中心となる話ですが、特に野球の予備知識がなくても読めないことはありません。

また、時代背景は昭和の半ばですが、こちらもさほど気にする必要はありません。

特にシリーズものでもなく、東野圭吾さんの作品が好きな人、ミステリーが好きな人であれば、誰でも読みやすい小説です。

多少、残酷な描写もありますが、一般的なミステリーとそんなに変わらない程度。

読んだ後はそれなりにスッキリするので、翌日仕事とかでもまぁ問題ないかと。

だいぶ昔の作品ですが、今でも多くの人におすすめしたい一冊となりました。

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